AGA治療のプロが語る!薄毛対策の常識を変えたフィナステリドの効果とは!?

薄毛を効果的に克服したいと考えているのであれば、AGAクリニックで処方されるフィナステリドが配合された薬を服用することです。これが、もっとも効果が高くて確実に薄毛の進行をストップしてくれます。

病院で処方されるフィナステリドは「プロペシア」「フィンペシア」などのジェネリック薬品の名前でもよく知られています。このフィナステリドの薬の要点をまとめると、

・AGA専門の医療機関で処方される「処方箋医薬品」であるということ

・客観的な臨床実験のデータに基づいて効果が証明されているということ

・AGAの原因を医学的にブロックする働きをするということ

など、薄毛を科学的に治療することを可能にした画期的な成分です。

そこで今回はフィナステリドの効果について、臨床デーや実際の治療経過などをみながらまとめていきます。

フィナステリドとは?

育毛業界を大きく変えた成分

フィナステリドの登場によって、育毛業界は大きく変わりました。1997年にアメリカで認可されたプロペシアは、その後で日本に渡り、厚生労働省に2005年に認可されました。そこからプロペシアはメディアでも「飲む育毛剤」として取り上げられ、「AGAは病院で治療できる」ということが知られるようになりました。AGAクリニックが多数開院したのもこの時期です。このような現象は「プロペシア」の登場によって、これまで不可能だった薄毛の抑止を医学的に可能になったことで生まれました。

もしプロペシアに効果がなければ、AGA治療やAGAクリニックという存在がこの世になかったでしょう。「プロペシアの登場をきっかけに、薄毛治療をおこうなう医療機関が多数設立された」という事実が、プロペシアの効果を証明しています。

AGAクリニックで必ず処方される治療薬

AGAクリニックは薄毛治療を目的として作られた医療機関です。AGAクリニックで診察してくれるのは、医師免許を持ち、薄毛を医学的に治すことが専門の医師です。

一昔前であれば、薄毛で悩んでいる人は「アデランス」や「アートネイチャー」「リーブ21」などといった育毛サロンに足を運んでいました。しかし、そこで働いているのは、何の資格も持たない素人でした。

それぞれのサロンで、何らかの教育を受けているとは思いますが、医学の知識は持っていません。そこで行われる施術は、素人のエステと変わらず、医学的な見地から発毛が証明されるような医療行為ではなかったのです。

その証拠に、当時育毛サロンで唱えられていた「毛穴に皮脂が詰まってしまうから髪の毛が抜ける」であるとか「血行が悪くなるから髪の毛が抜ける」などのような説は、AGAの根本的な原因ではないということがわかっています。後ほど詳しく説明しますが、AGAの原因はジヒドロテストステロンという悪玉ホルモンです。育毛サロンに通って、高いお金を支払ってクレンジングをしてもらっても、マッサージをしてもらっても、髪の毛が生えてこなかったという人は多いのではないでしょうか。それは、そもそも育毛サロンで行われている治療が医学的根拠の全くない民間療法に近い治療方法だったからです。

AGAクリニックが育毛サロンと根本的に違うのは、そこが医師免許を持った医師が運営する医療機関であるということです。そこで処方される医薬品は、AGAに対して効果があるという医学的根拠が存在する薬品です。つまり「治ることが証明されている薬」ということです。

AGAクリニックに行くと、様々なプログラムが用意されています。

頭皮に直接育毛成分を注入する育毛メソセラピーや、成長因子を注入するHARG療法、さらには自分の髪の毛を毛根ごと薄毛の部分に移植する自毛植毛など、医療行為としての様々なAGA治療がラインナップされています。そして、それらの中でも最も基本的でオーソドックスな治療方法が、フィナステリドとミノキシジルの併用なのです。どのAGAクリニックに行ったとしても、まず処方されるのはこの2種類の医薬品です。

試しに、どこでも構いませんので、AGAクリニックのホームページを開いてみてください。今後通院する可能性があると考えるなら「あなたの住んでいる土地の名前+AGAクリニック」というキーワードでもいいと思います。

治療方法と料金システムの形態を見ると、間違いなく1ヶ月あたりのフィナステリド配合の医薬品(プロペシア等)の費用や、ミノキシジル配合の薬品の費用が目立つところに掲載されているでしょう。

AGA治療に関しての先進国であるアメリカでも、このフィナステリドとミノキシジルの併用という治療方法は主流になっています。それだけ多くの方に高確率で効果が現れる成分だということです。

フィナステリド効果は”抜け毛”防止!!

抜け毛を止めることに絶大な効果がある理由

まず、男性型脱毛症(AGA)は、どのような仕組みで人の髪の毛を薄くしてしまうのでしょうか。

昔は、頭皮に刺激が加わったり、皮脂が固まって毛穴に詰まったりといった外部からの要因が薄毛を促進させると考えられていました。しかし実際のところ、抜け毛の原因はその体の内部にあります。

男性ホルモンであるテストステロンという物質と、還元酵素である5αリダクターゼという物質が結びつくことによって、悪玉ホルモンであるジヒドロテストステロンが生成されます。このジヒドロテストステロンは、男性型脱毛症や前立腺肥大症の原因となる物質です。

AGAに関して言えば、ジヒドロテストステロンは、前頭部や頭頂部に存在するアンドロゲンレセプターというホルモン受容体に受け取られると、そのまま毛根内部に入り込み、「髪の毛を抜きなさい」というシグナルを出します。本来であればまだまだ成長するはずの髪の毛も、そのシグナルを受け取ることにより、自然と抜けてしまうのです。つまり、髪の毛が男性型脱毛症によって抜けてしまうということは、外部からの力で抜けるのではなく、内部で起こるこのシグナルが原因で抜けてしまうということです。

簡単にいえば、フィナステリドは、このシグナルを出さないようにする作用があります。AGAの原因を根本から断ち切る働きであるため、非常に大きな効果を持っているのです。

5αリダクターゼを阻害

男性型脱毛症を予防するためには、このシグナルの原因となるジヒドロテストステロンを抑制しなければいけません。そして、フィナステリドはジヒドロテストステロンを生成する元となる2つの物質のうちの片方、5αリダクターゼの活動を阻害するという働きがあります。

5αリダクターゼの活動が阻害されることによって、ジヒドロテストステロンが生成されなくなり、抜け毛の原因自体が解消されるのです。

ちなみに、5αリダクターゼの分泌量には個人差が存在します。そしてその分泌量は先天的に遺伝によって決まるということが、過去の研究によって明らかにされています。5αリダクターゼの活性が高い遺伝子というものが存在するのです。

そして、やっかいな事に父親でも母親でも、どちらか片方にその遺伝子が存在すれば、その子供も5αリダクターゼの活性は高くなります。

つまり、5αリダクターゼの活性は遺伝子レベルで生まれた時に決まってしまっているため、後天的に根本から抑制するということは、不可能であるということです。そのため、外部から医薬品の力を借りて抑制するしかないのです。

実際にフィナステリドを使用したユーザーの臨床実験データ

フィナステリドの効果を証明する実験には様々な種類が存在しますが、今回はプロペシアの製造元であるMSD社の臨床実験のデータをご紹介します。

国内で行われた1年間と3年間の臨床データ、そして海外で行われた5年間の臨床データがあります。

基本的には、いずれもAGA患者を被験者として、プラセボ(偽薬)を服用するグループと、プロペシア0.2mg錠を服用するグループ、プロペシア1mg錠を服用するグループの3グループに分かれて、AGAの症状がどのように変化して行ったのかを観察するというものです。

国内投与試験(1年間)

対象は20歳~50歳の中等度までのAGA患者です。

ちなみに被験者数は

プラセボ(偽薬)を服用したグループが135人

プロペシア0.2mg錠を服用したグループが131人

プロペシア1mg錠を服用したグループが132人です。

1年間の使用によって、AGAの症状を「改善」「不変」「進行」の3種類で評価しました。

評価方法は、被験者の頭部の写真を第三者機関の皮膚科専門家医が評価するというものです。

プラセボを使用したグループは「改善」が6%、「不変」が72%、「進行」が22%です。

プロペシア0.2mg錠を服用したグループは、「改善」が54%、「不変」が41%、「進行」が5%です。

プロペシア1mg錠を服用したグループは、「改善」が58%、「不変」が40%、「進行」が2%です。

プラセボの使用グループとプロペシア錠の使用グループには大きな差がありました。改善の割合が50%近く変わります。

プロペシア使用グループの2種類では、そこまで大きな差は認められませんでした。0.2mgと1mgなので、フィナステリドの配合量でいえば5倍の差があるにもかかわらず、改善の割合は4%、進行の割合は3%しか違いがありません。誤差の範囲といえるレベルです。

AGAは、何も対処しなければ時間の経過とともに症状はどんどん進行していきます。そのため、「不変」というグループにも、何らかの効果が現れている可能性があります。

プラセボを使用したグループでは、「進行」が22%存在しました。つまり、何もしなければ22%の方のAGAは進行していたということになります。しかし、プロペシア使用グループの場合、進行している人の割合はプロペシア0.2mg錠を服用したグループは、5%しか「進行」がいません。つまり、17%の薄毛の進行をストップさせたということです。

プロペシア1mg錠を服用したグループは、2%しか「進行」がいません。つまり、20%の薄毛の進行をストップさせたということです。

このように考えると、プロペシアが影響を与えた割合は、70%~80%という見方ができるのではないでしょうか。

参照サイト:https://www.msdconnect.jp/products/propecia/medical_1y.xhtml

国内投与試験(3年間)

上記1年間の投与試験で、プロペシア錠を服用した被験者に対して、継続の意思確認を行い、同意を得られた被験者に継続して毎日1mgのプロペシア錠を服用するという内容で実験を延長したものです。3年間で「改善」「不変」「進行」の割合の変化を評価しました。

評価方法は、被験者の頭部の写真を第三者機関の皮膚科専門家医が評価するというものです。

上記のおさらいも含まれますが、

1年間の使用:「改善」58%、「不変」40%、「進行」2%

2年間の使用:「改善」68%、「不変」31%、「進行」1%

3年間の使用:「改善」78%、「不変」20%、「進行」2%

という結果になりました。

改善の割合が1年につき10%ずつ増加しています。

非常に高い数字といえるでしょう。

注目すべきはその「進行」の割合の低さです。

3年も男性型脱毛症の患者の頭皮を観察すれば、多くの被験者の症状が進行するはずですが、たった2%しか進行しなかったということは、やはりフィナステリドには高い脱毛防止の効果があるのでしょう。

参照サイト:https://www.msdconnect.jp/products/propecia/medical_3y.xhtml

海外投与試験(5年間)

最後は、海外で行われた臨床実験のデータです。

プラセボを5年間服用した被験者と、プロペシア1mg錠を5年間服用した被験者の頭皮の状態を、「抜け毛進行」と「抜け毛進行抑制・改善」の2種類で評価しました。

被験者は、18歳以上、41歳以下で中等度までのAGA患者1553名です。

ただし、5年間の試験が終了した時点で、プロペシア使用グループは279名に減少、プラセボ使用グループにいたっては16名にまで減少しています。プラセボ使用者は「効果が出ない」という理由で継続を断ったのかもしれません。そのため特にプラセボ使用グループの結果にはそこまでの信憑性はないかもしれません。

結果としては、5年間が経過して、

プラセボ使用グループ:「抜け毛進行」75%、「抜け毛進行抑制・改善」25%

プロペシア使用グループ:「抜け毛進行」10%、「抜け毛進行抑制・改善」90%

という結果になりました。

被験者の数が激減しているので、この実験の信憑性は少し低くなりますが、プロペシアの使用によって、9割のAGA患者の髪の毛が増加したということになります。5年間という長期間を経た上で、これだけ髪の毛の量が増加したというのは驚くべきことです。

大切なのは「継続」と「併用」か?

ここまでで、3種類の実験のデータを紹介させて頂きました。

この実験データからわかることは、フィナステリドを服用するということにおいて大切なのは「継続」と「併用」であるということです。

まず大切なのは「継続」です。フィナステリドにAGA治療の効果があるということは、ここまでで何度もお伝えしてきました。しかし、フィナステリドがその効果を発揮するためには、継続して使用するという前提条件があります。ヘアサイクルから考えても、育毛剤に目に見える効果が現れるまでには、3ヶ月から半年は待つ必要があります。3年間の国内投与試験の結果を見ると、1年経っても効果が現れなかった「不変」人の中から、2年目には10%が「改善」になりました、2年目も「不変」だった人の中から、3年目にはさらに10%が「改善」になりました。

育毛剤の使用は、気が早い人だと数週間で「効果がない」と諦めてしまいがちです。しかし、それは本当にもったいないです。年単位で根気よく続けることによって、高確率で結果を出すことが可能になるのです。

また、短期間で効果を出したいという場合、注目して欲しい数字が「不変」です。「不変」ということは効果がないのかと思われそうですが、実は「AGAの進行を食い止めている」ともいえます。つまり、「発毛量」と「脱毛量」のバランスが釣り合っている状態だということです。ここに発毛剤であるミノキシジル配合の育毛剤を併用することによって「発毛量」が「脱毛量」を上回り、髪の毛が増えるのです。

実際に多くのAGAクリニックが取っている手法が、このフィナステリドとミノキシジルの併用です。

この実験の結果から分かることをまとめると

「効果が見えにくかったとしても、生えると信じて、ミノキシジルと併用しながら使い続ければ、90%以上の確率で髪の毛は生える」

ということです。

フィナステリドの「男性型脱毛症診療ガイドライン」での評価は最高位

日本皮膚科学会が発表した「男性型脱毛症診療ガイドライン」という、薄毛を治療するにあたり非常に参考になるデータがあります。

日本皮膚科学会は、明治33年に創立された歴史のある団体で、現在は公立社団法人として活動しています。その100年以上の歴史の中で、人間の皮膚に関するさまざまな研究を行ってきました。

その中で発表された。論文の一つが「男性型脱毛診療ガイドライン」です。この言葉をそのままインターネットで検索にかければ、データそのものを見ることができます。

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913421_2.pdf

その内容は、男性型脱毛症(AGA)の治療方法として知られている成分や手法に対して、ひとつひとつAランクからDランクまでその効果を評価したものです。簡単に言えば、AGAの治療方法のランキングのようなものです。

ただし、信憑性の低いインターネット上の各種ランキングなどとは違い、このガイドラインでの評価基準の中で重視されているものは、確かなエビデンス(根拠)があるかどうかということです。つまり、客観的な臨床実験の結果等の証拠がなければ評価されないということです。

そんな中で、多くの育毛剤に有効成分として配合されている成分がCランクの評価を得る中で、フィナステリドとミノキシジルはAランクの評価を獲得しています。ちなみに、Bランクの評価は自毛植毛という方法一つだけで、その他はすべてCランク以下でした。

ABCDそれぞれの評価基準は下記の通りです。

A= 行うよう強く勧められる(少なくとも 1 つの有効性を示すレベルⅠもしくは良質のレベルⅡのエビデンスがあること)

B= 行うよう勧められる(少なくとも 1 つ以上の有効性を示す質の劣るレベルⅡか良質のレベルⅢあるいは非常に良質のⅣのエビデンスがあること)

C1= 行うことを考慮してもよいが,十分な根拠がない(質の劣るⅢ~Ⅳ,良質な複数のⅤ,あるいは委員会が認めるⅥ)

C2= 根拠がないので勧められない(有効のエビデンスがない,あるいは無効であるエビデンスがある)

D= 行わないよう勧められる(無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある)

ちなみに、Ⅰ~Ⅵのエビデンスレベルというのは、そのエビデンスの信頼度のようなものです。Ⅰが最も信頼度の高いタイプの根拠(システマティック・レビューなど)。Ⅵが最も信頼度の低い根拠(専門家の意見など)です。

このように、客観的事実に基づいた権威のある団体の評価においても、フィナステリドとミノキシジルは高い評価を得ているのです。

ただし、女性向けの男性型脱毛症の治療に関しては、フィナステリドはDランクとなっています。副作用の項目で詳しくお伝えしますが、フィナステリドはホルモンに作用する薬品であるため、女性が使用すると胎児に悪影響を与える可能性があるためです。

フィナステリドをさまざまな角度から検証!

ただしフィナステリドには発毛効果はない?

フィナステリドの効果が5αリダクターゼの活動を阻害することだと聞くと、「育毛剤なのに髪の毛を増やす効果がないのか」と思う人も多いと思います。

実際のところ、フィナステリドには、発毛促進の効果はありません。

ということは、もうすでにAGAが進行し、ハゲ上がってしまった人が使用しても、その進行ストップさせるだけで、回復させることができないと思われてしまいそうです。しかし、そんなことありません。

というのも、髪の毛が成長する力というのはよほどの高齢になったり、AGA以外の何らかの病気にかかっていたりしなければ減ることはないのです。「毛根が死ぬ」という表現をすることがありますが、実際に毛根が死ぬというのは大怪我をしたり、大火傷を負ったりといった外部的な要因でしか起こりません。

髪の毛が生えなくなったとしても、その毛根は生き続けています。ではなぜ生きた毛根から髪の毛が生えないのかというと、それはジヒドロテストステロンが、髪の毛が生えようとする人間本来の成長作用をブロックしているからです。

コップに水を注いでいる様子を想像してください。

そして、そのコップの底には小さな穴が開いています。

コップに新たに注がれる水が、頭皮から髪の毛が生える量です。

コップの中に存在している水の量が、あなたの頭皮に生えている髪の毛の量です。

コップの底の穴から抜けていく水の量は、抜け毛の量です。

健康な状態の頭皮であれば、コップに新たに注がれる水の量と、コップの底の穴から抜けていく水の量が同量になり、コップの中の水の量は変わりません。つまり、髪の毛の量が維持できているという状態です。

しかし、新たに注がれる水の量は変わらないのに、コップの底の穴の大きさが広がったらどうでしょうか。

徐々に徐々に、コップの中に溜まっている水量が減ってきますよね。

つまり、生えている髪の毛の量が減り、薄毛になるということです。そのまま放置しておけば、コップの中の水は尽きてしまいます。フィナステリドによる5αリダクターゼの阻害作用というのは、この例えで言うと、コップの底の穴を塞ぐという作用です。穴が塞がりさえすれば、注がれた分だけコップの中の水の量は増えていきます。つまり髪の毛の量は回復するということです。

つまり、フィナステリドを服用することによって、薄毛が止まるだけではなく、もともとその人が持つ髪の毛の成長作用によって、髪の毛は増えてくれるのです。

ちなみに、AGAクリニックでフィナステリドと併用されることが多いミノキシジルは、発毛作用を持っていますので、この例えで言えばコップに新たに注がれる水の量を増やすという働きになります。

ミノキシジルを使用することによってAGAからの回復を早めることができるのです。

フィナステリドの効果がある場所とない場所

5αリダクターゼには、1型と2型が存在します。男性型脱毛症の原因の多くは2型の5αリダクターゼたといわれています。そして、フィナステリドは2型の5αリダクターゼに作用する働きを持っています。1型・2型どちらの5αリダクターゼも、テストステロンと結びつくとジヒドロテストステロンになるという働きは持っており、抜け毛の原因にはなるのですが、2型の方がより脱毛を促進させる力が強いようです。

そしてこの1型の割合と2型の割合は、分布する部位によって変わってきます。

前頭部には2型5αリダクターゼが多く、頭頂部には1型5αリダクターゼが多いと言われています。若年性の男性型脱毛症が、頭頂部ではなく、前頭部から発生する、いわゆる「M字ハゲ」が多いのは、前頭部に2型5αリダクターゼが多く分布しているためです。フィナステリドは2型の5αリダクターゼに作用する働きを持っていますので、薄毛の種類で言えば前頭部、つまり「M字ハゲ」や「U字ハゲ」と言われるおでこからハゲ上がってくるタイプのAGAに特に効果を発揮するということが考えられます。

フィナステリドは塗っても効果がある?

フィナステリドは、内服薬に配合されていることがほとんどです。実際、AGAクリニックで処方されることが多いプロペシアも内服薬です。

しかし、一部の海外の育毛剤には、頭皮に塗布するタイプの外用薬の中にフィナステリドが配合されていることがあります。

例えば、「ジェンヘアー」や「ポラリス」といったシリーズの育毛剤は、基本的にミノキシジルが主成分となっていますが、サブの成分としてフィナステリドが1%にも満たない量ですが、配合されている種類が存在します。

確かに、塗り薬に配合されている方が、薄毛が気になる部分にピンポイントに使用することができるので、高い効果を発揮してくれるような気がします。

また、内服薬だと頭皮だけではなく、体全体にその成分が回ってしまうため、副作用の心配もあります。その意味では頭皮に塗る形で使用したほうが、副作用の心配も少なくて済みそうです。

実際に、その部分に目をつけた人がプロペシアの錠剤をピルカッターで割り、砕いて水に溶かした上で霧吹きなどで塗布につけるという自作の育毛剤を使用しているという話もあります。

実際のところ、フィナステリドは、頭皮に塗っても効果はあるのでしょうか?

インターネットなどで、塗るタイプのフィナステリドを使用した方の口コミを見てみると、確かに効果はあるようです。しかし、その多くはミノキシジルとの併用をしているため、確実にフィナステリド単体の効果があるかということはわかりません。また、フィナステリドを頭皮に塗ったという臨床実験などのデータも存在しないため、エビデンスには乏しいと言わざるを得ません。

また、副作用については内服薬に比べれば発症の可能性は減るかもしれませんが、フィナステリドには経皮吸収されやすいという特徴があるため、頭皮につけたとしても、毛細血管から吸収され、すぐに血流に乗ってしまいます。そのため、頭皮に塗ったとしても、副作用を起こす可能性をゼロにすることはできません。

以上のことから、やはりフィナステリドは外用薬としてではなく、内服薬として使用することがお勧めだと言えます。

少なくとも、フィナステリドを配合した外用薬だけにAGA治療を頼ってしまうのは危険です。

フィナステリド外用薬の可能性を信じるなら、ミノキシジルと同時配合の外用薬を使用し、同時にフィナステリドの内服薬も使用するという形にして、いわば保険のような役割で使用するのが良いのではないでしょうか。

フィナステリド使用者の実際の写真

ここまで、フィナステリドにはどれだけの効果があるのかということを、医学的な見地や、その成分の働き、歴史などを元に説明してきましたが、最も分かりやすいのが、フィナステリドの効果で髪の毛が生えた人の頭皮の状態を見るということでしょう。

そこで、複数のAGAクリニックの症例写真を元にして、フィナステリドの効果を検証してみましょう。

ヘアメディカル

ヘアメディカルは、AGAクリニックの中でも、王道であるフィナステリド内服薬による治療をメインにしている、歴史あるグループです。

公式ホームページの料金表は下記のようになっています。

http://www.hairmedical.com/about/touhatsu-chiryou/

プロペシア錠も、フィナステリド錠も主成分がフィナステリドである点は変わりません。ファイザー社製のものは、プロペシアのジェネリック医薬品なので、価格は若干安くなっています。

ザガーロについては、主成分がデュタステリドという成分なのですが、その効果はフィナステリドと同様、5αリダクターゼの抑制です。この記事の後半でお伝えしますが、デュタステリドは1型の5αリダクターゼにも2型の5αリダクターゼにも作用するという特徴を持っています。プロペシアの親戚のようなものだと考えてください。

では、このプロペシアをメインとした治療によるAGA治療の症例写真にはどのようなものがあるのでしょうか。

http://www.hairmedical.com/voice/

http://www.hairmedical.com/voice/

http://www.hairmedical.com/propecia-taiken/

藤沢駅前AGAクリニック

大手ではありませんが、地域に根ざしたAGAクリニックです。

こちらのホームページでも、分かりやすいプロペシアによる症例写真が掲載されていました。

http://fujisawa-ekimae-agaclinic.com/propecia.html

http://fujisawa-ekimae-agaclinic.com/propecia.html

プロペシアの服用だけで、半年近い治療によってかなり髪の毛が増えている様子が分かります。

セイコメディカルビューティクリニック

http://seikomedical.com/medical/cat2525/cat4224/post_18.html

こちらは頭頂部のみですが、つむじ周辺の毛量が大幅に増えている様子が分かります。

フィナステリドは「ミノキシジル」との併用がおすすめ

フィナステリドと同様、AGAクリニックで使用されている成分に、ミノキシジルというものがあります。ミノキシジルは、元々血圧降下剤として開発された成分ですが、その臨床試験の過程で発毛効果があるということが分かり、育毛治療薬に転用された成分です。

毛母細胞の細胞分裂を活性化させたり、毛包を大きくしたりする働きがあります。つまり、その効果は「発毛促進」です。フィナステリドの効果は、AGAの原因であるジヒドロテストステロンに作用し、脱毛を予防するという働きですので、「抜け毛防止」の成分だと言えるでしょう。攻めのミノキシジルと、守りのフィナステリドという住み分けができているのです。そして、フィナステリドは経口育毛治療薬、つまり飲み薬です。ミノキシジルは頭皮に直接塗る形の外用薬です。この種類の違った2種類の薬品を合わせて使用することによって、効果的な薄毛治療ができるのです。

ミノキシジルについての詳細はこちらの記事をご確認ください(ミノキシジルの記事へのリンク)

フィナステリドが効く人と効かない人の本当の理由

インターネットなどで、フィナステリドの配合された育毛剤の口コミを見てみると、多くの人が「効果がある」と、その効果を認めている一方で、一部の人は、「使用したけれど、効果がなかった」と、書き込んでいます。どんな医薬品であれ、100%の効果を発揮するというのは難しいと思いますが、フィナステリドにも効果の出る人と出ない人は存在するのでしょうか?

AGAではなく瀰漫性脱毛症だとフィナステリドに効果はない

薄毛と一言で言っても様々な種類があります。代表的なものはAGAですが、それ以外にも、炎症性の脱毛症や、ストレスが原因の円形脱毛症、薬の副作用による脱毛などもあります。

それらのAGA以外の脱毛症の中でも、多いのが瀰漫性脱毛症です。

瀰漫性脱毛症は、女性を中心に発症する脱毛症で、部分的ではなく毛髪全体が薄くなるという特徴があります。

主な原因は加齢による髪の毛の老化と、ストレス、生活習慣などです。

進行のスピードが遅いため、症状を自覚しにくく、気づいたときにはかなり悪化しているというケースがあります。

この瀰漫性脱毛症は、女性に多いとはいえ、男性にも発症する可能性があります。

その場合、AGAクリニックの医師に診察してもらったとしても、AGAなのか瀰漫性脱毛症なのかというジャッジが難しい場合があります。

もし瀰漫性脱毛症だった場合、AGAの原因にアプローチするフィナステリドを服用しても、効果はありません。

クリニックによっては、瀰漫性脱毛症だったとしても、AGAであると診察してAGA用の薬を処方するところもあるようです。

もし、症状が典型的なAGAのような「M字ハゲ」「O字ハゲ」ではなく、全体的に薄くなっているような症状なのであれば、それはAGAではなく、瀰漫性脱毛症の可能性もあるので、下記で説明している遺伝子検査をした方が良いでしょう。

クリニックでの遺伝子検査によって効きやすさを診断

AGAクリニックでは、遺伝子検査を行うことによって、フィナステリドの効きやすさを診断してもらうことができます。遺伝子検査というと、大げさに聞こえるかもしれませんが、口腔粘膜、つまり口の中から検体を採取するだけなので、そこまで大掛かりなものではありません。

多くのAGAクリニックでは、この遺伝子検査を行っており、その検査結果によって今後の治療方針を決めたり、使用する薬品をプロペシアにするかデュタステリドにするか決めたりしています。

ちなみに、この検査は、AGAクリニック自体で検体を採取したとしても、結局は検査機関に送られ、そこで検査した結果が再びクリニックに返送され、その結果を見せてもらう形になるので、検査結果が出るまでには1ヶ月程度の期間が必要になります。また、アマゾンなどで、遺伝子検査のキットが販売されていますが、こちらを使用しても問題はありません。むしろ、AGAクリニックで遺伝子検査を行うと、クリニックが手数料を取るため、割高になります。

検査を行う機関が一緒であれば、調査結果自体は変わりません。そのため、自宅で検体を採取するか、AGAクリニックで検体を採取するかという違いしありません。検査結果をもとに、クリニックの医師と今後の治療方針を相談する場合は、多少割高でもクリニックで検査したほうがいいかもしれませんが、単純に興味本位であれば、検査キットを購入し自分で検査をした方が良いでしょう。

確実なのは遺伝子検査

では、なぜ遺伝子検査によってプロペシアなど、フィナステリド配合の医薬品の効き目が分かるのでしょうか?

AGAは、ジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプターに受容されて、抜け毛が発生します。そして、アンドロゲンレセプターは、個人によって感受性が異なります。この「アンドロゲンレセプターの感受性」というのがフィナステリドの効き目に関してポイントとなります。

アンドロゲンレセプターの感受性が高いということは、その分ジヒドロテストステロンの影響を受けやすいということになります。逆に、アンドロゲンレセプターの感受性が低いということは、その分ジヒドロテストステロンの影響を受けにくいということになります。つまり、高ければハゲやすく、低ければハゲにくいのがアンドロゲンレセプターの感受性なのです。

特に薄毛対策もしておらず、髪の毛がフサフサな高齢の方は、アンドロゲンレセプターの感受性が低いからだと思われます。しかし、逆に言えば、アンドロゲンレセプターの感受性が高いために薄毛になってしまった人というのは、フィナステリドによってジヒドロテストステロンの量をコントロールすれば、高い確率で薄毛を防止することができるのです。

遺伝子検査では、このアンドロゲンレセプターの遺伝子を、検査するため、AGAのリスクや、フィナステリドの効きやすさがわかるのです。

現在、遺伝子検査の結果を判定する上で信頼されているエビデンスは、2012年に行われた2074名のAGA患者と、1115名の健常者による臨床実験です。この実験の結果、東アジア人のみ、「CAG」のリピートの数が24以下になると、フィナステリドは効きやすくなり、さらにAGAリスクも高まるという結果が出ています。

東アジア人というのは、日本人も含まれますので、私たち日本人は遺伝子検査によって、AGAのリスクやフィナステリドの効きやすさが測定できるということです。

遺伝子検査で見るポイントは、X 染色体上のアンドロゲンレセプター遺伝子の中にある塩基配列に、何回「CAG」のリピートがあるのかです。その数をカウントし、24回以上であればAGAリスクは低く、フィナステリドは効きにくい。24回以下であれば、AGAリスクが高く、フィナステリドが効きやすいということになります。

もし頭皮全体が薄くなる瀰漫性脱毛症のような症状が出ている場合、遺伝子検査によってAGAリスクを計測してみてください。もしAGAリスクが低いという検査結果が出たら、瀰漫性脱毛症の可能性が高いです。

フィナステリドの副作用

効果のある薬品は、常に副作用が付きまといます。特に、フィナステリドという成分は、ホルモンを意図的に調整するという働きがあるため、その副作用が心配です。実際、インターネットでフィナステリドと検索すると、副作用についての記述が目立ちます。それだけ副作用の発症する可能性が高いということなのでしょうか。

インターネット上でよく見かけるフィナステリドの副作用

インターネット上でよく見かけるフィナステリドの副作用リスクは、男性機能の低下です。これは、性欲の減退や簿記機能の低下などを指します。その他にも肝機能障害や精子の減少、発疹、じんましんなどといった副作用が報告されているようです。しかし、実際の臨床実験の検査における。副作用の発症率は、どの症状も1%台です。特に男性機能については、精神的な影響が大きく出る部分ですので、その多くがプラシーボ効果なのではないかと考えられています。つまり、「男性機能が低下する可能性がある薬品を使用しているから、性欲がわかなくなってしまった」という思い込みによる症状ということです。

一番危険なのはうつ病!服用には注意が必要

フィナステリドに関する副作用は、男性機能低下がよく注目されていますが、実は最も危険なのはうつ病です。

フィナステリドがなぜうつ病を発症させるのかというメカニズムは、はっきりと解明されていませんが、2つの説があります。

1つ目はフィナステリドがホルモンに作用する薬品であるため、ホルモンバランスが崩れてしまい、倦怠感を感じ、うつ病につながるという説です。

2つ目は、フィナステリドには人間を前向きにする神経ステロイドの量を減少させる働きもあるため、うつ病が発症するという説です。

はっきりとした関係性は認められないものの、プロペシアの説明書にもうつ病の危険性はかかれています。

うつ病は、目に見える症状ではないものの、最悪の場合、自殺にもつながる重篤な精神疾患ですので、プロペシアに関係する副作用の中でも、特に気をつける必要があります。

フィナステリドは、世界的に大手の試薬会社が販売している関係もあり、うつ病の副作用についてはそこまで語られてはいません。しかし、実際にジョージワシントン大学のマイケル・アーウィング博士が「プロペシアを使用したことで精力が減退し、プロペシアの服用をやめた」という人にうつ病診断テストを行ったところ、75%もの人がうつ病を発症する可能性が高いという結果になりました。ちなみに、フィナステリドの服用をしていない一般の人は10%だったそうです。

そのため、フィナステリドを服用する際には用量を守り、もし精神的に違和感を感じた場合、すぐに使用を中止して、その症状を医師に相談しましょう。

女性が使用すると危険?

フィナステリドは、女性が使用するのは禁止とされている危険な成分です。この記事のはじめに紹介した男性型脱毛症診療ガイドラインの中でも、男性のAGAに対する効果はA 評価でしたが、女性のAGAに対する効果は、D 評価でした。これは、フィナステリドがホルモンに作用し、胎児の生殖器に異常をきたす危険性があるためです。特に妊婦の場合フィナステリドの城塞に触れることも金色されています。フィナステリドは、経皮吸収の性能が高いため、触っただけでもその成分が血流にのってしまう可能性があるためです。そのため、AGAにどれだけ高い効果があると言っても、女性は摂取することはおろか、触ることもしてはいけません。また、結婚や同棲をしていて女性と生活を共にしている男性がフィナステリド摂取する場合は、その成分の危険性を説明した上で、フィナステリドの錠剤には決して触らないようにということを伝えておかなければいけないでしょう。

フィナステリドの副作用はこちら

フィナステリドは市販されていない?

フィナステリドが配合されている薬を購入しようと思っても、薬局では販売されていません。

また、インターネットで育毛剤を検索しても、フィナステリドが配合された育毛剤に出会うことはなかなかありません。どのようにしてフィナステリドが配合された育毛剤を入手すればよいのでしょうか。

フィナステリドは「処方箋医薬品」に分類されている

フィナステリドは、日本国内では「処方箋医薬品」という種類の薬に分類されます。これは、医師の処方箋がなければ購入することができない種類の薬品であるということです。つまり、正規のルートで手に入れたい場合、病院の皮膚科や、AGAクリニックなどに行って処方してもらうしかないということです。そのため、医師に頭皮の状態を診察してもらうというよりは、プロペシアを処方してもらうために病院やAGAクリニックに足を運ぶという人も多いようです。

フィナステリドが「処方箋医薬品」に分類されたのは、やはりその働きがホルモンに関係しているということや、副作用の危険性、そして女性が触れてしまうだけでも胎児に影響を及ぼす可能性があるという危険性なども考慮した上で、市販できないという形にしたのでしょう。

しかし、個人輸入という方法を使えば日本国内では処方箋医薬品であるフィナステリドも医師の処方箋なしで手に入れることができます。

個人輸入であれば病院に行かなくても購入可能

個人輸入とは、一般的には個人が海外のメーカーや小売店に直接交渉し、商品を購入することを言います。そのため、個人輸入で育毛剤を購入するというと、「海外に行かなければいけないのではないか」とか、「英語がしゃべれなければいけないのではないか」など不安に思う方もいるようですが、その必要はありません。

育毛剤において個人輸入というのは、一般的な通信販売とそこまで変わりません。個人輸入専門の代理店というものが存在し、その代理店にインターネット上で依頼を出せば、個人輸入を代行してくれるのです。

若干の手数料がかかりますが、それでも日本国内で正規ルートを通して入手するフィナステリド配合の育毛剤よりも、安い金額で手に入れることができます。

ただし、個人輸入は安い金額で世界各国の薬品を手に入れることができるというメリットがある反面、その全てが自己責任になるというデメリットも存在します。

極端な話を言えば、フィナステリドの箱に風邪薬が入っていたとしても、私たちはそれが偽物であると判断することができません。また、日本国内で製造されたものであれば、安心できる衛生環境のもと作られ、保管されていたという安心感がありますが、海外では必ずしも衛生環境の良いところで製造され、保管されているという保証はありません。そういった意味で個人輸入のリスクというものありますが、これだけ個人輸入の育毛剤というものが広まっている中で、そのような問題は発生しにくいであろうということも予測がつきます。

100%安全ではないにせよ、育毛剤に高いお金をかける経済的な余裕がない場合や、AGAクリニックなどに通院する時間的余裕がない場合は、個人輸入の代理店を利用してフィナステリド配合の育毛剤を購入するという方法は、選択肢に入れる余地が十分にあるでしょう。

ただし、少しでも不安があるのであれば、クリニックで処方してもらう薬品にした方が間違いないです。一度処方してもらえば、2回目以降は代理人が行っても処方してくれるクリニックもあるので、そのあたりは一度相談してみると良いでしょう。

次の項目では、個人輸入で購入することが可能なフィナステリド配合の育毛剤をご紹介させていただきます。

フィナステリドが配合されている内服薬の種類と価格比較

ここでは、主成分をフィナステリドとしている医薬品を数種類ご紹介させていただきます。これらの医薬品は、プロペシアを含め、すべて個人輸入で入手することが可能な医薬品で、ほとんどがプロペシアのジェネリック医薬品です。そのため、価格はプロペシアが最も高く、それ以外が安いという形になっています。

価格に関しては、個人輸入の代理店として有名な、オオサカ堂の金額(2017年3月段階)を参考にさせていただきます。

プロペシア

メルク社が製造している、元祖AGA治療薬です。

フィナステリド配合量:1mg

内容量:1箱28錠

価格:¥4345

1錠あたり:約¥155

フィンペシア

プロペシアのジェネリック医薬品です。

以前配合されていて問題になったキノリンイエローという着色料は、現在では使用されていません。

数あるプロペシアのジェネリック医薬品の中でもシェアNO1の商品です。

フィナステリド配合量:1mg

内容量:1箱100錠

価格:¥2981

1錠あたり:約¥30

プロスカー

本来は前立腺肥大症の治療薬です。

そのため、フィナステリドの配合量も、5mg と多くなっています。

フィナステリド配合量:5mg

内容量:1箱28錠

価格:¥3041

1錠あたり:約¥109

フィンカー

プロスカーのジェネリック医薬品です。

本来は前立腺肥大症の治療薬です。フィナステリドを多く使用したい場合におすすめです。

フィナステリド配合量:5mg

内容量:1箱100錠

価格:¥4114

1錠あたり:約¥41

エフペシア

プロペシアのジェネリックです。

フィンペシアと同成分で作られています

フィナステリド配合量:1mg

内容量:1箱100錠

価格:¥2924

1錠あたり:約¥29

フィナロイド

プロペシアと同成分で作られたジェネリック医薬品です。

注目を集めています。価格の安さとプロペシアと同じ成分ということで、個人輸入の業界で注目を集めています。

フィナステリド配合量:1mg

内容量:1箱100錠

価格:¥2833

1錠あたり:約¥28

フィナロ

プロペシアのジェネリック医薬品です。

フィナステリド配合量:1mg

内容量:1箱30錠

価格:¥1586

1錠あたり:約¥53

フィナバルド

プロペシアのジェネリック医薬品です。

フィナステリド配合量:1mg

内容量:1箱30錠

価格:¥1960

1錠あたり:約¥65

安心を求めるならプロペシア、安さを求めるならフィナロイド、シェアと安さのバランスを重視するならフィンペシアという感じでしょうか。

1錠30円以下で購入できるというのはかなり魅力的ですね。

インターネットでフィナステリドがあまり紹介されていないのはなぜ?

インターネットで「育毛剤」と検索すると、出てくる育毛剤は、どれもフィナステリドが配合された内服薬ではなく、天然成分が中心に配合されている外用薬です。ミノキシジルが配合されているものもありません。AGAクリニックが主流にしている治療法であるミノキシジルとフィナステリドの併用という法則を無視して天然成分中心の育毛剤ばかりが紹介されているのはなぜなのでしょうか。

価格が高く効果の低い育毛剤が、インターネット上で猛威を奮っている

「ここ最近抜け毛が一気に増えだした」という方や、「M字ハゲになってきて髪型がうまくセットできなくなってきた」という方は、その悩みの解決をインターネットに求める場合が多いようです。

しかし、インターネットの怖いところは、そこに掲載されている情報が操作されているものであったり、大きなお金の流れによって作られた間違った情報だったりすることがあるこということです。

育毛剤に関する情報もまさにその中の一つです。

ヘアケア関係の市場は、音楽業界の市場と同程度の規模があると言われており、多くのお金が、その背後で動いています。そして、ダイエットや女性の脱毛などと同様に、コンプレックスを逆手に取った商売は人がお金を出しやすいのかもしれません。インターネットで紹介されている、天然成分を中心に配合している外用育毛剤は、配合されている成分を1つ1つ見てみても、とても効果があるとは思えません。確かに、全く効かないということはないかもしれませんが、その効果はおそらく気休め程度です。

それらの詐欺のような育毛剤を使用して髪の毛が生えたという写真を掲載している人たちは、おそらく嘘を書いています。ではなぜ、インターネット上でそれらの「価格は高くて効果が薄い育毛剤」がよく紹介されているのかというと、それはアフィリエイトというインターネットを利用した広告システムが背景にあります。

アフィリエイトは、個人や企業が、自分の管理しているブログやホームページの中で何らかの商品を紹介し、訪問者がそのブログやホームページからその広告をクリックして商品を購入した場合、その購入代金の何割かが紹介者に入るというシステムです。

そのため、「たくさんアクセスを集めて、たくさん広告を貼り付けて、訪問者にその広告をたくさんクリックさせることによって利益が発生する」という図式が出来上がるのです。そして、「価格は高くて効果が薄い育毛剤」は、アフィリエイトで商品が1つ売れた際の報酬額が高く設定されていますので、アフィリエイトで収入を得るアフィリエイターと呼ばれる人たちは、その報酬額が高い育毛剤ばかりを紹介する形になります。

また、アフィリエイターは、SEO対策を重視して記事を書きます。SEO対策とは、検索した時にその記事が上位に表示されるための様々なノウハウを駆使した記事の作り方のことをいいます。

育毛関係の業界は、もう何年もこの図式の状態で記事が大量生産されてきました。そのため、インターネットで薄毛関係のキーワードを入力して検索しても、アフィリエイターが「価格が高くて効果が薄い育毛剤」を販売するために作ったページしか、検索結果の上位に出てこないのです。

処方箋医薬品であるため購入ハードルが高い

また、フィナステリドは、前述のように処方箋医薬品という種類の医薬品に分類されます。そのため、購入するためには個人輸入という方法を除けば、病院の皮膚科に行ったり、AGAクリニックに通院したりする必要があります。そう考えると、薄毛に悩み出したばかりの、いわば「育毛初心者」がフィナステリドの情報を入手したとしても、「わざわざ病院に行かなくてはいけないのだったら必要ない」と考えてしまうのです。

薬局で販売されている育毛剤や、通販で気軽に買える育毛剤と比べると、購入のためのハードルが高い医薬品に分類されるといえるでしょう。

フィナステリド配合の育毛剤はアフィリエイトしにくい?

フィナステリド配合の育毛剤でアフィリエイトを行うとしたら、個人輸入の代理店の商品を紹介するという形になります。しかし、個人輸入は価格が安いというメリットがある分、アフィリエイトした場合、売れた際の報酬額も小さくなるというデメリットがあります。

そして、薄毛は悩んでいる人の悩みの質が非常に深いので、「一刻も早く治したい」と考えている人が多いです。特に、薄毛に関しての知識が少ない人は「価格が高い育毛剤の方が、高い効果がある」と考えてしまう傾向があり、「価格が高く効果が低い育毛剤」に流れてしまうのです。

そのような背景があり、アフィリエイターたちはフィナステリド配合の育毛剤でアフィリエイトするよりも、「価格が高く効果が低い育毛剤」を魅力的に見せるような記事を作成し、それらを売りつけることによって、高い収入を得ているのです。

フィナステリドより効果が高い!?デュタステリドとは?

2015年に厚生労働省に認可された、デュタステリドという成分があります。このデュタステリドは、フィナステリドと非常に似ている働きをしますが、その働きはフィナステリドよりも強いと言えます。では、このデュタステリドとはどのような成分なのでしょうか。

1型の5αリダクターゼにも効果がある

フィナステリドは、2型5αリダクターゼに効果があるという話をしました。髪の毛を抜く働きが高いのは2型の5αリダクターゼです。しかしもちろん1型の5αリダクターゼにも脱毛作用が存在します。このデュタステリドは、2型だけではなく1型の5αリダクターゼにも作用します。そのため、発生するジヒドロテストステロンの量を大幅に抑制し、前頭部だけではなく頭頂部にも高い効果を発揮します。

血中濃度を高く保てる

デュタステリドのもうひとつの特徴は、成分の血中濃度を高い状態で長時間保つことができるということです。一般的に薬品の成分は、血中に溶け出してからその濃度がどんどん下がっていきます。しかし、デュタステリドの場合は、その血中濃度が下がりにくく、長時間にわたって5αリダクターゼの活動を阻害することができるのです。

デュタステリドの副作用は?

デュタステリドにも、フィナステリド同様、副作用の可能性が存在します。作用が似ているだけあって、副作用もフィナステリドと似ています。代表的なものは、男性機能の低下や、肝臓機能の障害、体の女性化などです。ホルモンに作用する薬品を使用するのであれば、この副作用のリスクというものは避けて通れない部分があります。確率的には高いものではありませんので、一度使用してみて、体に異常を感じたらすぐに使用を中断するという形で問題ないと思います。

耐性が発生しやすいというデメリット

効果だけを見ると、フィナステリドよりもデュタステリドの方がAGA治療薬としては優れているようにも見えます。副作用が同程度なのであれば、デュタステリドを使用した方が良い気もしますが、デュタステリド配合の育毛剤がそこまで普及していないのには、理由があります。それは、デュタステリドは耐性が発生しやすいということです。耐性というのは、同じ薬を長期間にわたって使用し続けることによって、その薬品の効果が薄れてしまうという特徴のことです。

つまり、デュタステリドは使用を開始してからしばらくは高い効果を得られますが、継続して使用することによって、その効果がどんどん薄くなっていってしまうということです。

そのため、残念ながら長期的な視野に立つとデュタステリドだけを使用して薄毛の治療を行うというのは、現実的ではないのです。耐性を発生させないために、デュタステリドとフィナステリドを交互に服用している人などもいるようです。

ただ、現在ではデュタステリドの耐性について、薄毛治療に用いる少量の服用では耐性が発生しにくいとも言われていますので、デュタステリド配合の「ザガーロ」というAGA治療薬を使用してみるのもいいかもしれませんね。

まとめ

長くなりましたが、フィナステリドという成分について、あらゆる角度から紹介をさせていただきました。

最初にお伝えしたように、風邪であれば皆さんは病院でお医者さんに処方してもらった薬を使用するでしょう。しかし、AGAという事に関しては、なぜかお医者さんで処方してもらう薬を手に入れようとする人は少ないという状況があります。

AGAクリニックに足を運ぶのが気が引けるという場合は、個人輸入で手に入れる方法もあります。

しかし、この記事に書いた本当の情報が、あまりにも人目に触れにくいという問題点があります。詐欺のような育毛剤を紹介する記事に邪魔されてしまうためです。

しかし、現実的な話をすれば、客観的なデータや医学的見地に立って、最も髪の毛が生えるという目的に直結する医薬品は、フィナステリドであるということに間違いがありません。この記事を最初からここまで読んでくれていた方であれば、それは理解してもらえると思います。確実に短期間で髪の毛を増やしたいのであれば、ミノキシジルとフィナステリドの併用をするのがもっとも正しい方法です。お金をかけてもいいというのであれば、AGAクリニックに通院するという方法もおすすめです。

より効果の高い薬品や、育毛メソセラピー、HARG療法といった特殊な施術をしてもらうことも可能です。

現代において、本気でAGAを治療しようと考えるのであれば、「自宅で個人輸入のプロペシアとミノキシジル」か「AGAクリニックへの通院」。この2種類しか方法はないと断言できます。

もしこの2つ以外の方法を使った育毛治療を試みているのであれば、本当にその方法で髪の毛が生えるのか、この記事を読み直しながら、もう一度考えてみてください。

正解は何なのかということに気づいてもらえるはずです。