植毛ロボットARTASの安全性や効果は!?アルタスの口コミや評価まとめ

最近導入しているクリニックが増えている植毛ロボットのARTAS(アルタス)。植毛をロボットに任せるって大丈夫なの?という不安と期待の声には賛否両論です。そこで今回は業界の権威たちにもお話を聞きながら植毛ロボットについての口コミやポイントをまとめてみました。

植毛ロボットのアルタス(ARTAS)の特徴

植毛ロボットのアルタスは、後頭部から植毛に使うドナーを採取する専門ロボットです。通常の植毛ではグラフトの採取から植え込みまでを全て医師と看護師の手作業によって行われますが、アルタスを使った植毛では、ドナー採取の部分を専用のロボットで行い、髪の毛を植込みは医師によって行われます。実際の植え込みはアルタスでは行いません。

ドナー採取の作業は、経験値が少ない医師などがおこなうとドナーを傷つけてしまったりして生着率の低下を招きます。そのため、ドナー採取は医師の技量が大きく左右される作業でした。ところがアルタスはCCDカメラで随時チェックしながら、人間の目では確認できない頭皮の下の毛細胞の部分まで透視し、ドナーを傷つけないように採取することができます。植毛ロボットを使うことで、医師の腕に関係なく安定したクオリティでのグラフト(株)採取が可能になったわけです。

ARTASは植毛のドナー採取専用のロボットで、世界中で使用されています。

植毛ロボットアルタスが導入されている本当の理由

アルタスが導入されている背景には、植毛業界の医師不足という事情があります。従来の植毛では医師や看護師がドナー採取を行うので、1人の植毛に数人で取りかからないとなりません。最近では植毛の需要が一気に高まってきたことから、植毛医の人材不足が慢性的に起こっていて、医師の経験値が左右するドナー採取は、植毛のクオリティーを保つために大きな課題になっていました。

そこでドナー採取の行程をロボットにやらせることができれば、医師不足とドナー採取の品質の低下の問題を同時に解決できるということで植毛マシンが導入されることになったわけです。ハッキリ言って、病院側にはメリットが大きいものの、ユーザーにとってはほとんどメリットがないと言えます。

自動ロボットARTASアルタスのドナー採取法

ARTASでドナーを採取するときには、患者の頭を手術台に固定し、ロボットの可動範囲内にある後頭部からくり抜き作業が行われます。採取毛の選択はすべてデジタル画像から判断し、1本1本自動でくり抜き採取していきますが、適度な感覚を開けながら採取していくために、採取後に穴があいてボコボコの状態にならないようにロボットが判断します。

植毛ロボットと通常の植毛の違い

通常の植毛医による植毛とARTASによる手術の内容や技術について分かりやすくまとめてみました。

比較内容
ARTAS
iSAFE
グラフトの精度と質 パンチサイズが大きすぎて、人手でのトリミングが必要であり、マイクロパンチではない従来のパンチ法とかわらない質、パンチのサイズを小さくしようとすると、演算予測が不十分になり、切断率が高くなる。すなわち演算に用いるパラメータの数が少なすぎる。 パンチのサイズはFUの大きさに合わせ、取れたものが必要十分で最小であり、そのままグラフトとして使用可能、これは、パンチを挿入するときに角度だけでなく伝わる微妙な感触までコントロールされるためである。
採取速度 パラメータも不十分だが、それでも画像処理・演算に時間がかかり、1時間で500株が限界。 取れやすさに左右されるが、1時間で1000~1800株と圧倒的に速い。
患者様が感じる負担 ドナー部は緊張をかける必要があり、その器具の負担があり、座位で動きも制限され、固定されている感がある。 時間も短いが、比較的楽な体位で、ほぼ眠った状態で受けられる。
施術後の傷 従前のFUEと同じくパンチのサイズが大きく、虫食い痕が目立つ。 φ0.65~0.85mmというマイクロパンチを使用しているため、虫食い痕は目立ちにくい。
安全性 人が器械を使うというより、器械任せな部分が多く、安全センサーにより緊急停止するとはいえ、不安が残る。 すべての器械の動きは施術者の管理下にある。
メリット・デメリット 採取だけは機械任せなため差が出ないが、トリミングとインプラントは従前の方法とかわらず手作業なため、この部分で技術差が出てしまう。また、あまり大きい移植には使えない。 手作業はあまりなく、ほとんどの過程で器械を使用してはいますが、それでも、長時間の集中力を必要とし、使いこなしによる施術者およびアシスタントの技術差が多少なりとも存在する。
時間はかかるが、4000グラフト(1万本)ほどまでは可能。

植毛ロボットのメリット

ドナーの定着率が上がる

通常のグラフト採取だと肉眼では皮膚の下の状態が見えない為、採取時にドナーを損傷したり切断してしまうリスクがあります。また見えない毛根を採取するというブラインドテクニックだと医師の技量によってクオリティーが分かるので、お医者さんの腕次第になってきます。この技術習得には膨大な時間がかかり、毛根を切断したらこの移植毛の発毛は見込めません。ところがARTASはFUE採取を専門的におこなうロボットとして開発されたため、毛細胞の採取においてはしっかりとした品質で採取が可能です。プログラムが画像解析しながら適切にクラフトを採取していくので、クオリティの高いグラフト採取が可能です。

アルタスなら費用が安く抑えられる

アルタスは植毛なら採取の部分を自動化することで、お医者さんやスタッフの作業時間を軽減します。それにより通常の植毛手術に比べARTASでの植毛手術は10~20%安い料金設定になっています。金額面のメリットは大きいですね。

アルタスを使った植毛の費用や金額一覧

表が入る

植毛ロボットのデメリット

植毛ロボットのデメリットは2つあります。

①採取中は頭が固定されていて身動きが取れない

ARTASが後頭部のドナー採取するときは、頭固定された状態になります。ARTASは画像解析を行いながら適正な箇所からドナーを採取していくため、作業が終るまでは基本的には動けません。また画像解析がしやすいように後頭部の皮膚がピンと張った状態になります。通常の植毛ならドナー採取のときもゆったりと寝ている状態でできますが、ARTASだと頭皮も体も緊張した状態になります。

②1時間あたりのドナー採取の量が少ない

機械でオートメーション化されると作業効率があがるイメージがありますが、実はARTASのドナー採取では一時間あたり500株しか採取ができません。通常の植毛オペだと1時間あたり1000本~1500本まで可能なので、植毛の量が多くなるケースではかなり時間が掛かるのがネックです。

③後頭部の刈り上げが必須

アルタスの場合は、後頭部の刈り上げが必須になります。通常の植毛だと後頭部を剃らずにドナー採取できますが、ARTASの場合は画像解析ができるように該当箇所を必ず剃る必要があります。

④ARTASだとパンチの穴が大きい

ドナー採取するときに、ドナーの切断を減らすためにパンチのサイズが大きいのもデメリットの一つです。その傷跡は徐々に目立たなくなりますが、術語はパンチの後がかなり目立ちやすくなります。

植毛ロボットはまだ早い

植毛ロボットについて、植毛業界で実績があるアスク井上クリニックの井上院長は以下のように発言しています。

いまの段階ではロボット(たとえばARTAS(by Restoration Robotics Inc)など)の処理能力は全く人の作業に精度や速度で追いついていない状態ですし、切断を減らすためにパンチのサイズに大きさを必要とするため、その傷跡はやや目立つもので、最大でとれる数も少なく、取れたものをさらに手作業でトリミングしてグラフト化する必要があるなど(もちろん、アンシェーブンのような高度なこともできません)、まだ、客寄せパンダ・おもちゃのレベル、早く使えるロボット化を期待してはいますが、もう暫くは人の処理能力で頑張るしかないようです。(アスク井上クリニック)

現実問題としては、まだまだ植毛ロボットは人の手には遠く及ばないマシンだということが分かります。

植毛ロボットでの失敗するケース

 

植毛ロボットを導入しているのはココ

 

アルタス以外でオススメの植毛クリニックは?

まとめ

アルタス植毛ロボットは医師不足を解消するために導入されたマシンといっても過言ではありません。たしかにアルタスだからヒドい失敗をした、もしくは痛みが激しかったということはありませんが、アルタスマシンを積極的に選ぶメリットはありません。ただお医者さんがやる作業を自動化することで人件費が下がることは間違いないので、その分手術費用が10~20%程度ディスカウントされる傾向があります。少しでも安い費用で植毛したい人の場合にはオススメできます。