植毛後に髪の毛が抜けるのは異常?ショックロスを分かりやすく解説!

植毛を行って一定期間が過ぎた頃に、抜け毛が増える時期があります。そのときに気になるのは「植毛に失敗しているかも」という不安です。

しかし植毛したあとに髪の毛が脱毛するのは一時的な症状で、きちんと髪の毛が生着した証拠とも言えます。そこで今回は植毛での生着率やショックロス、植毛後に抜ける症状について詳しくまとめてみました。

植毛した髪の毛の生着率とは!?

植毛した髪の毛には、そのまま頭皮に生着する場合と、残念ながら髪の毛が抜け落ちてしまう場合があります。ほとんどの髪の毛は植毛した場所にしっかりと生着しますが、植毛するときにドナーを傷つけてしまったり、生着する前に引っ掻いたりしてしまうことで髪の毛が抜け落ちてしまうこともあります。一般的には植毛の生着率は70~85%と言われていましたが、これは少し前の業界での水準でした。今では植毛技術もかなり進歩しているので、約80~90%くらいの移植毛がきちんと生着率すると言われています。

ただし、植毛した髪の毛の生着率は、植毛するお医者さんや看護師さんの技術によって変動するので、技術が確かなクリニックで行う方が効果が全く違ってきます。技術の高いクリニックでは90~95%の生着率を実現しているところもあります。

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髪の毛の生着率を上げるためにできること

生着率をあげるために術後気をつけて欲しいポイントは以下です。

・術後のドナー部分には刺激をあたえずにしっかりと安静にする

・1週間程度は洗髪を控え、ドライヤーやジェルなど頭皮に負担を与えるものは控える

・汚れがたまって頭皮が不潔で不衛生にならないように気をつける

植毛後は移植したドナーは一時的に弱った状態になっています。しっかりと新しく植えた部分に生着するまでには1週間程度かかると言われているので、その期間はできるだけドナーを大切にすることが大切です。そのためには植毛した部分に負担やストレスを与えないように気をつけてください。それだけで生着率の低下を防ぐ事ができます。

植毛した髪の毛はいったん抜け落ちる

植毛した髪の毛が自然な毛髪としてしっかり生え揃うには10~12ヶ月程度の時間が掛かります。それまでの期間、植えた髪の毛がそのまま成長し続けるかというとそうではありません。植毛した髪の毛は、まず頭皮の内側の組織にきちんと生着しようとします。1週間程度で生着すると、今度は次から次へと髪の毛が抜けはじめます。植えたはずの髪の毛がパラパラと抜け落ちると多くの人は「植毛が失敗したかも」と不安になりますが、実はこれは植毛した髪の毛と細胞がうまく生着して本来の毛髪サイクルを開始したことを意味しています。一度抜け落ちた髪の毛は必ず生えてくるので、慌てる必要はありません。植毛後の毛髪サイクルをもう少し詳しくみていきます。

①移植毛が抜けるのは健全な毛髪サイクル

植毛手術は、植えた毛髪が元々の性質を保つ作用(ドナードミナンス)を利用した移植手術です。ちょっと難しい言葉になりましたが、簡単にいうと、植毛された髪の毛の遺伝子細胞は、新しい部分で元通りの活動を再開するという意味です。つまり植毛された毛髪は、新しい場所で生着すると、元通りの成長サイクルを再開します。毛髪サイクルには休止期⇒成長期⇒衰退期を繰り返す習性があるので、髪の毛が抜けはじめたということは、休止期に差し掛かったことを指します。つまり髪の毛が抜ける=自然な発毛の始まりです。移植した毛髪が生着し、自然な発毛へのスタートラインに立ったと言えるので喜ばしい症状と言えます。

移植した毛の休止期はばらばら

移植した毛髪は、一時的に休止期を経て、パワーを蓄えてから発毛が始まります。この休止期に入ると髪の毛が抜けはじめますが、全部がいっぺんに抜けるわけではなく、そのまま伸びる毛と抜け落ちる毛に別れます。その原因は、ともとの毛髪のヘアサイクルが関係していると言われています。移植前にそのドナーがどのような状態だったかによって抜ける時期が異なります。ドナー採取した髪の毛がヘアサイクルの過程でいう“成長期”真っ只中だった場合は、抜けるまでしばらく時間がかかるか、休止期を必要とせずそのまま伸びることもあります。しかし、80~90%の毛髪は一度休止期に入り、新しい場所で活力を蓄えながら再び生えてくるというのが一般的です。

③全ての髪の毛が生え揃うまでの期間は!?

上記でも少し触れた通り、全ての移植毛が抜けるわけではありません。植毛した人の年齢や毛髪の性質、頭皮の状態によって違いはありますが全体の5~10%ほどはそのまま伸び続けると言われています。残りの90%の髪の毛はいったん抜けおちますが、6ヶ月くらい経過した時点で全体の60~70%の再発毛見られ、約10〜12ヶ月で90%の再発毛が完了します。およそ1年経つと、移植した髪の毛は全て生え変わり、元々ある毛と遜色ない状態まで生え揃います。

いずれの毛髪も移植直後は細く、徐々に太くなっていくので最終的には1年前後で生え揃うと見ておくのが無難です。ただし、後頭部や側頭部から移植した毛髪太く丈夫なものが多いので、元々あった前頭部の毛髪と比べると力強い髪の毛に生え変わります!

植毛後に失敗かもと思う状態をチェック

①髪の毛が次から次へと抜け落ちてしまう

植えた髪の毛の休止期が重なってしまうと、植毛前よりも抜けが増加してしまうことがあります。そうすると失敗したのでは?と不安になりますが、ここまで説明してきたように、髪の毛が抜け落ちるのは移植した髪の毛が生着し、元気に活動し始めた証拠です。抜けた髪の毛は3~4ヶ月で再び生えてきますので、それまでは辛抱強く我慢しましょうしましょう。

②植毛した部分の生え方がまばら・むらがある

植毛した髪の毛がキレイに生え揃うまでには10ヶ月程度掛かります。それまでの過程ではそれぞの移植毛が独自の毛髪サイクルで活動しますので、頭皮の状態にムラができたり、スカスカの場所が出来てしまうことがあります。場所によって植毛した髪の毛が死んでしまったのではないか?植毛し忘れた場所があるんじゃないかと心配にになりますが、10ヶ月くらい経つまでは、キレイに生え揃うことはないので我慢が必要です。一時的に薄い部分が目立ったとしても、いずれは太くて元気な髪の毛が生えてきます!

植毛後に起こるショックロスとは?

植毛後に抜け毛が増えるもう一つの原因はショックロスです。ショックロスとは、植毛して一定期間が過ぎると、移植した部分の周りの髪の毛が一時的に抜け落ちる現象のことを言います。ショックロスが起こる原因は、諸説あって医学的に完全に解明された訳ではありませんが、手術のときの麻酔の影響などが原因とされています。またよく言われているのは、植毛したことで毛髪の密度があがり、頭皮に過度なストレスが起こるためともいわれています。しかしこのショックロスは一時的なので、半年から1年以内には再び髪の毛は生えてきます。

ショックロスは健全なヘアサイクルの証拠

植毛して起こるショックロスによって、一時的に抜け毛が増加していしまいます。このときに脱応する料は全体の10%~15%程度なので、全体から見ると極端に薄くなることや、ハゲが目立つということはありません。むしろそこの程度の脱毛ではほとんど目に見える変化はありません。ただし植毛する人の多くは、薄毛や抜け毛に悩んでいたので、どうしても過敏に反応してしまう傾向があります。

しかし諸クロスは植毛によって髪の毛髪サイクルに乱れが生じて、抜け毛が一時的に増えるだけなので、ショックロスが起こったときにはパニックに陥らず、しっかりと我慢することが大事です。必ずまた髪の毛が生えてくるので心配はいりません。

ショックロスが発生する時期は!?

ショックロスが起こる時期には個人差があります。通常ですと3ヶ月から半年経った頃に起こると言われていますが、早い人では植毛してから1週間から10日程度で症状が現れる場合があります。1ヶ月以内にはショックロスの症状が現れたとしても、なにか異常や問題があるわけではないので安心してください。

ショックロスは必ず起きるのか

ショックロスは個人差があるので、中にはショックロス症状を感じなかった人もいます。厳密に言えばショックロスが起こる確率はかなり高いので、ショックロスが起こらなかったと言う人の場合は、ショックロスの程度が軽く、脱毛症状に気付かなかったというのが正しいかもしれません。

ショックロスは必ず回復するのか

ショックロスは必ず回復します。その根拠としては、ショックロスが起こる場合には髪の毛を作り出す毛細胞が減少したり、死滅することがないためです。一時的な抜け毛の増加は増えますが、毛根組織は元通り残ってるのでかならず元通り髪が生えてきます。

ショックロスは女性に起こりやすい

男性に比べて女性の方が神経やホルモンバランスが敏感などでショックロスの症状を引き起しやすいです。ただしショックロスで失った髪の毛は、必ず元通りになるので心配する必要はありません。

ショックロスを個人的に防ぐ方法

ショックロスを防ぐ方法として、手術後に早めにミノキシジルの塗布を再開すれば抜け毛が抑えられるなどの説がありますが、医学的な根拠が元になっているわけではありません。あくまで毛髪サイクルの一環なので、ミノキシジルやフィナステリドの内服で抜け毛を予防できるというわけでないようです。

ショックロスを隠す方法はあるのか

ショックロスがどうしても気になる場合にはどうやって対処したらいいのかという質問もあります。もしも脱毛部分が気になる場合には、周囲の髪でカバーするようにアドバイスしています。ショックロスで脱毛する髪の毛の量は、その部分の10〜15%程度なので、それほど深刻な薄毛減少を引き起すわけではありません。遅くても1年後には元通りの髪が回復しますので、それまでの間はヘアスタイルでカバーしたり、パウダー系のヘアアイテムで隠す方法が有効です。

同じ範囲に2回目の移植した場合、最初の移植毛がショックロスで抜けてしまうのか

ショックロスで抜けやすいのは、元々弱くなっていた既存の髪の毛です。1回目の植毛で植えた髪の毛は、太くて強い髪なのでショックロスの症状を起こしにくくなっています。また万が一ショックロスで髪の毛が抜けて、3ヶ月程度で元気な髪の毛が生えててくるので心配はいりません。

植毛したあとの抜け毛について まとめ

植毛に成功しても移植毛の90%はいったん抜け落ちます。しかしそれは移植された場所でドナーが生着して、再び元気に毛細胞が活動しはじめた証拠とも言えます。植毛した前よりも抜け毛が増えてしまうことも稀にありますが、それでも植毛して1年もすれば確実に元気で太い髪の毛が移植した部分に生え揃います。また植毛の副作用とも言えるショックロスですが、こちらも一時的な脱毛症状なので3ヶ月〜半年ほどで元通りの状態に戻るので心配はいりません。現在の植毛技術ではドナーの生着率も90%を超えるというのも標準になってきたので、植毛のドナーが生着しないリスクはほとんどありません。ただしやはり植毛医の腕や看護師さんの技術力によって効果に差はでるので、技術力が高いところで植毛することをオススメします!